再就職手当とは早期再就職の促進を目的に作られている制度で、失業保険(雇用保険の基本手当)を貰っている人が、早期に安定した職業に就いた場合や事業を開始した場合に一括で支給される手当の事を再就職手当といいます。

再就職手当の金額

所定給付日数の残日数により給付率が異なります。

所定給付日数の3分の2以上を残して早期に再就職した場合

基本手当の支給残日数の70%の金額が貰えます。

つまり、

「支給残日数」 × 「基本手当日額」 × 70% = 再就職手当として貰える金額

所定給付日数の3分の1以上を残して早期に再就職した場合

基本手当の支給残日数の60%の金額が貰えます。

つまり、

「支給残日数」 × 「基本手当日額」 × 60% = 再就職手当として貰える金額

※ 1円未満の端数は切り捨てとなります。
※ 個別延長給付の支給残日数については再就職手当に係る支給残日数としてはみなされません。
※ 再就職手当に係る基本手当日額には上限額があります。

あなたの基本手当日額・所定給付日数ならびに早期に再就職した場合の再就職手当の金額は、以下のページよりシミュレーションして簡単に確認する事が出来ます。

再就職手当を多くもらえたケース例

一例として、早期に再就職が出来たAさんのケースをみてみましょう。

仮)Aさん(47歳)の場合

Aさんは某アパレル大手に25年間勤めていましたが、40歳以上を対象に全社員の4分の1にあたる500人の早期希望退職が募られた為、早期希望退職に応じて退職。

退職後、Aさんはすぐにハローワークで雇用保険の受給手続きを行いました。

退職時のAさんの状況は以下の通り。

年齢
47歳
退職理由
会社都合による離職
勤続年数
25年
平均月給
351,000 円/月

また、ハローワークでの手続き後に分かったAさんの給付内容は以下の通り。

所定給付日数 330 日
基本手当日額 5,850 円/日

その後、Aさんは心機一転して積極的に就職活動を行った結果、運良く前職と同等の労働条件を提示する企業から内定をもらいました。

そして、雇用保険の受給手続きの日からちょうど1ヶ月後には初出社することに。

Aさんは再就職先が決まった為、初出社の3日前にハローワークへ就職の届出を提出。

その後、Aさんの初出社から数日後には、失業期間と認定された23日間分を基本手当として134,550円が入金されました。

また、Aさんは所定給付日数の残日数が307日分も残っていたので、就業した翌日には昼休みの時間を利用して再就職手当の申請を行いました。

その際、基本手当日額が再就職手当に係る上限金額に達していた為、再就職手当の基本手当日額を5,840 円で計算されると知ったのですが、再就職手当の申請を行ってから約1か月後には1,075,728円が再就職手当として入金されました。

また、同時期に再就職先の初給与も振り込まれて、再就職活動を一生懸命頑張って良かったと思ったAさんでした。

解説

これは、早期に再就職を行って再就職手当を多くもらえたケースの一例です。

このAさんの例では各手続きを行った為、失業後の約2ヶ月の間に、基本手当再就職手当の合計で1,210,278円が振り込まれた事になります。

ちなみにこの1,210,278円は、、なんと非課税です!

しかし、Aさんが退職後すぐに雇用保険の受給手続きや、「就職の届出」ならびに「再就職手当の申請」を行っていなければ、これらの手当は貰えていなかったでしょう。

たまに「手続きが良くわからないし、すぐに再就職するから手続きなんて面倒なだけだし何もしない」などと言われる方もいますが、様々な制度を知っていれば、困った時にあなたを助けてくれる制度が色々とあります。

また、このAさんの再就職先では試用期間があり、しばらくの間は前職より給与が下ったみたいですが、勤めて5ヶ月後にハローワークから「就業促進定着手当」の支給申請書が届いたみたいですよ。

支給の要件について

再就職手当の支給を受けるには下記のすべての要件を満たす必要があります。

  1. 受給手続き後、7日間の待期期間(※)満了後に就職、又は事業を開始したこと。
  2. 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
  3. 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。
  4. 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者(転職エージェント)の紹介によって就職したものであること。
    ※この1ヶ月の期間内は知人の紹介、新聞広告、求人サイト、自営業を開始等により就職した場合は対象外となりますが、待期期間満了日から1ヶ月経過後であれば、就職の経路は問われません。
  5. 1年を超えて勤務することが確実であること。  ( 生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生のように、1年以下の雇用期間を定め雇用契約の更新にあたって一定の目標達成が条件付けられている場合、又は派遣就業で雇用期間が定められ、雇用契約の更新が見込まれない場合にはこの要件に該当しません。)
  6. 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。
  7. 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。(事業開始に係る再就職手当も含みます。)
  8. 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。
  9. 再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと。

※ 待期期間中に仕事等をしたことにより失業の状態でなかった日や、失業の認定を受けていない日については、待期期間に含まれませんのでご注意下さい。

★給付制限がない方は、待期期間経過後であれば、就職の経路は問われません。 (知人の紹介、新聞広告、自営業などの事業開始等により就職した場合でも受給の対象となります。)

ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職とは

ハローワークまたは職業紹介事業者(転職エージェント)で紹介を受け、事業所に面接に行き、就職した場合のことをいいます。

したがって、ハローワーク等の公開求人や求人情報誌等を見るなどして、ご自身で直接応募して就職された場合には「ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職」とはなりません。

また、職業紹介事業者とは、厚生労働省の認可を貰ってる職業紹介事業者(転職エージェント)からの紹介となります。

対象となる職業紹介事業者については、「転職エージェント」のページにて紹介しています

再就職手当の申請手続きについて

申請期限は、就職日の翌日から1か月以内です。この期限を過ぎると、支給申請は受理できませんので注意してください。

また、再就職手当の申請をされる場合には、以下の書類をハローワーク等へ提出してください。

  1. 再就職手当支給申請書(就職先の事業主の証明が必要となります)
  2. 雇用保険受給資格者証
  3. その他、ハローワーク等の求める書類

※ 提出は郵送でも問題ありません。

なお、注意点としてはハローワーク等で就職の届け出を行った後でなければ、再就職手当の申請手続きはできませんので、就職が決まったらハローワークへ早めに就職の届出を行いましょう。

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